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特集 第19回脳のシンポジウム
神経疾患と酵素異常
脳のグルタミン酸脱炭酸酵素とコリンアセチル基転移酵素について
Neurochemical pharmacology of glutamic acid decarboxylase and choline acetyltransferase in cerebral tissue: A review with some original contributions
金澤 一郎
1
Ichiro KANAZAWA
1
1筑波大学臨床医学系神経内科
1Department of Neurology, Institute of Clinical Medicine, University of Tsukuba
pp.984-992
発行日 1984年12月10日
Published Date 1984/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431905657
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脳の神経伝達物質候補には,アセチルコリン(Ach),モノアミン,アミノ酸をはじめとして最近では数多くの神経ペプチドが知られている。一方,これらの物質の脳内分布をみると,物質そのものの分布とその合成酵素の分布とはかなりよく一致しており,分解酵素のそれとは必ずしも一致してはいない。それ故,神経伝達物質の局在・分布の研究にはその合成酵素を取り扱うことが多く,神経伝達物質研究の中で合成酵素の研究は重要な位置を占めている。
脳の神経伝達物質候補の中で,γ-アミノ酪酸(γ-aminobutyric acid;GABA)とAchはその歴史も古く,神経伝達物質としての地位も極めて高い。そこで本シンポジウムでは,GABAの合成酵素であるグルタミン酸脱炭酸酵素(glutamic acid decarboxylase;GAD)およびAchの合成酵素であるコリンアセチル基転移酵素(choline acetyltransferase;ChAT)について,主として神経伝達物質学の立場から最近の知見を含めてまとめてみることにする。
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