研究
血清グルタミン酸脱水素酵素
遠藤 了一
1
,
石塚 昭信
1
,
鈴木 秀治
1
,
森本 示子
1
,
石岡 瑞枝
1
,
有田 聖子
1
,
佐藤 源一郎
2
,
上野 幸久
2
1国家公務員共済連合三宿病院臨床検査室
2国家公務員共済連合三宿病院内科
pp.502-504
発行日 1970年5月15日
Published Date 1970/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906795
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はじめに
このところ,血清酵素群の測定がひろく行なわれ,疾患の診断と経過の観察に役だっている.肝疾患では木下らによってグルタミン酸脱水素酵素(GLDH)の生体内分布,細胞ではミトコンドリア限局性であることをSchneider1)が明らかにした.このため正常血清中には活性が認められないことをHess2),Schmidt3)が確かめている.GLDHは肝,腎に高濃度に分布し,他の臓器ではきわめて活性が低い.ここで肝,腎障害時にGLDHの血中移行が考えられるが,ミトコンドリア膜,細胞膜を通過するためには高度の細胞壊死を伴うことが推察される.原形質に分布する酵素と異なり病態推移,細胞壊死と直接関係することが考えられる.
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