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I.研究の沿革
ミオクローヌスと脳波の関係に初めて注目したのはアメリカ合衆国のGrinkerら9)で,脳波計が実用化して間もない1938年のことであった。彼らは家族性ミオクローヌスてんかんの患者2名において,ミオクローヌスに伴って脳波上速い棘波(10〜15Hz)の短いburstが出現することを認めた。連合王国のDawson4)は1946年,ミオクローヌスてんかん2例と軽症ミオクローヌスの1例において,インク描きオッシログラフを用いてポリグラフを記録した。そして重症例では脳波棘波とミオクローヌス筋放電の間に一定の関連がみられるが,軽症例では両者の間に一定の関連がないことを報告した。すなわち軽症ミオクローヌスの1例では,脳波上棘徐波が認められても,ミオクローヌス筋放電が脳波棘波に一定の時間間隔で続いて起こるとは限らず,むしろ先行するような場合もみられることから,両現象はともにもう1つ別の過程の結果として生じたものであろうと推定した。これに反して重症のミオクローヌスてんかんでは,例えば大腿四頭筋のミオクローヌス放電に15〜40msec先行して,脳波棘波が出現した。
さらにDawson5)は1947年,腱叩打などの筋伸張刺激でミオクローヌスが誘発される42歳男子例を報告し,その時刺激と反対側半球に一定の脳電位が誘発されることを発見した。
Abstract
Since the original demonstration of EEG spikes in association with myoclonus by Grinker et al. in 1938, the relationship between myoclonus and EEG activities has been studied by many investi-gators by using polygraphic recordings. Since 1975, we have used the technique of jerk-locked averaging in the clinical study of myoclonus. By making the backward averaging of the simulta-neously recorded multi-channel EEGs time-locked to the myoclonic EMG discharge, a precise in-vestigation of the temporal and topographic relationship between myoclonus and its EEG correlates became possible.
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.