Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
Lanceら1)は,外科手術に伴う脳の低酸素障害により,動作性ミオクローヌスを呈する患者において,動作時に出現する不随意な筋放電によるミオクローヌスの他に,重力に抗し姿勢を維持する時に,ミオクローヌス放電に続く筋放電の中断による姿勢保持の障害を認めた。この筋放電の中断は,ミオクローヌス放電とは別に単独で起こることもあり,Youngら2,3)は,この現象をnegative myoclonusと名づけた。この中断は,随意的な,または姿勢反射による持続的な筋収縮の際に認められる。この現象が下肢の抗重力筋に起きると立位,歩行が困難となり,患者にとって大きな障害となる。
本現象とよく似た神経症候として,肝性脳症にしばしば認められるアステリクシスがある。最近限局性脳病変において一側性のアステリクシスが認められたという報告が相次いでいる。negative myoclonusの病変,病因を考えるにあたり,アステリクシスとの比較検討がぜひ必要である。
Abstract
Current information about negative myoclonus was reviewed and compared with asterixis. Both abnormalities appear as an electrically silent period (ESP) electromyographically. In patient with myoclonus epilepsy showing ESP, some parameters were compared with those of asterixis.
Duration of ESP and the sequential variation of the ESP frequency did not differ from those observed in asterixis.
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.