Japanese
English
総説
ミオクローヌス研究の進歩
Advances in Myoclonus Research
柴崎 浩
1
Hiroshi Shibasaki
1
1京都大学医学部脳病態生理学講座
1Department of Brain Pathophysiology, Kyoto University School of Medicine
キーワード:
myoclonus
,
jerk-locked back averaging
,
cerebral evoked potential
,
long loop reflex
Keyword:
myoclonus
,
jerk-locked back averaging
,
cerebral evoked potential
,
long loop reflex
pp.503-511
発行日 1991年6月1日
Published Date 1991/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406900203
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I.ミオクローヌスの概念
ミオクローヌス(myoclonus)は代表的な不随意運動(involuntary movement)の1つであり,突然起こる筋または筋群の電撃的(jerky)かつ不規則な収縮で,てんかん発作のけいれんと異なって意識消失を伴わないものをいう。一般に主動筋と拮抗筋がほぼ同期して収縮することが多いが,そうでない場合もあり,またなかには筋収縮が突然中断することによって四肢が動く場合があり,後者は陰性ミオクローヌス(negativemyoclonus)と呼ばれる。ミオクローヌスの語源は1881年にさかのぼり,Friedreichが安静時に小さい不随意筋収縮を呈する50歳男子を報告し,'paramyo—clonus multiplex’と呼んだのに始まる。
ミオクローヌスの研究は臨床症例に基づくものが多く,その性質上,特に種々の電気生理学的手法を用いてその発生機序を解明しようとしたものが多かった。なかでも後述の大脳皮質起源のミオクローヌスについては多くの点でてんかん性けいれんとの類似点が多いため,脳波学的および臨床薬理学的な研究が多く行われた。本稿では,ヒトのミオクローヌスを対象とした電気生理学的研究の最近の進歩を,主として自験例を中心に紹介し,文献的考察を加える。
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