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特集 ミオクローヌス
臨床型および病理学的裹づけ
その他の変性疾患とミオクローヌス—特にneuronal ceroid-lipofuscinosisについて
Myoclonus in other degenerative disorders: with special emphasis on neuronal ceroid lipofuscinosis
鴨下 重彦
1
,
鈴木 貞行
1
,
小林 誠一
2
Shigehiko KAMOSHITA
1
,
Sadayuki SUZUKI
1
,
Seiichi KOBAYASHI
2
1自治医科大学小児科学
2自治医科大学病理学
1Department of Pediatrics, Jichi Medical School
2Department of Pathology, Jichi Medical School
pp.724-732
発行日 1984年10月10日
Published Date 1984/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431905633
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I.はじめに
ミオクローヌスは小児あるいは若年者でしばしばみられる症状である。特にてんかんやけいれんを伴う神経疾患に現われることが多い。ミオクローヌスを主徴とする疾患は本号で他の著者により詳述されているようなミオクローヌスてんかん,SSPE,DRPLAなど稀ではあるが重要な変性疾患をはじめ,表1に掲げるようなものがある。
これらのうち,歴史的にも頻度の上でも,最も注目すべき変性疾患はneuronal ceroid-lipofuscinosisであろう。neuronal ceroid-lipofuscinosis以下(NCL)という言葉はW. Zeman33,34)(1969)により提唱され,今日ではかなり広く用いられている。彼の主張はそれまで黒内障性白痴として知られていた疾患のうち幼児型(Tay-Sachs病)を除くものにはガングリオシドの蓄積がないばかりでなく,通常の脂質分析でもスフィンゴ脂質構成にも何らの異常が認められず,神経細胞内にみられる蓄積物質の電顕像が,セロイドあるいはリポフスチンの形態と一致する点にあった。彼は1903年のBattenの報告を重視し,NCLを総称して別名Batten病とも呼んでいる,しかし文献上Batten型と呼ばれるものは年齢層が幼児型や若年型に当るようであり,現在ではNCLを発病年齢,経過から次の4型に分けることで大方の意見が一致している。
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