Japanese
English
特集 神経ペプチド
無脊椎動物の神経ペプチドの免疫組織化学
Immunohistochemical studies of neuropeptides in invertebrates
藤田 恒夫
1
,
油井 龍五
1
,
岩永 敏彦
1
Tsuneo Fujita
1
,
Ryogo Yui
1
,
Toshihiko Iwanaga
1
1新潟大学医学部第三解剖学教室
1Department of Anatomy, Niigata University School of Medicine
pp.468-478
発行日 1983年6月10日
Published Date 1983/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431905508
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神経ペプチドと今日呼ばれるものは,10年前に知られていたものとは比較にならないほど増加し,その分布も視床下部だけでなく,全身の中枢および末梢神経系のニューロンに及んでいる。そのうえ,ニューロンだけでなく,さまざまな内分泌細胞と感覚細胞に神経ペプチドが含まれている。とくに消化管と膵臓の内分泌細胞に含まれるペプチドにニューロンのそれと共通のものが多いことから,脳腸ペプチドbrain-gut peptidesという言葉も流行している。実はこれらのペプチドの大部分は胃腸膵内分泌系に初めに見出され,のちに脳や末梢神経に認められるようになったのである。
私どもは1975年以来,一連のペフチド/アミン産生内分泌細胞と感覚細胞を,ニューロンと細胞生理学的性格をともにする細胞として位置づけ,パラニューロンの名で呼ぶことを提唱してきた。"脳腸ペプチド"の存在はパラニューロンのニューロン的性格の一面を示すものにほかならない。すべてのニューロンとパラニューロンは特定の分泌果粒を持ち,その中にペプチド,ATP,ときにモノアミンやアセチルコリンを貯えており,この果粒の開口放出によって,これらの物質は細胞外に放出され,伝達物質やホルモンとして標的へ送られるのである。
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