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I.神経伝達物質研究における免疫組織化学の貢献
中枢神経系には,非常に多種の生物学的活性を持つアミンやペプチドの存在することが,生理学,薬理学および生化学者らの手によって明らかにされてきた。ここでいう生物学的活性とは,神経細胞に対して効果を及ぼすという作用ばかりでなく,血管,泌尿・生殖器,腸管など多くの臓器・器官に対して収縮や弛緩という明らかな作用を示すものを指している。したがって脳内に存在する多くの活性アミンや活性ペブチドは末梢臓器とくに腸管などにも筒濃度に存在し,広く「脳一腸管ホルモンbrain-gut hormone」と総称されることがある。
活性アミンとして,1)カテコールアミン(ドーパミン,ノルアドレナリン,アドレナリン),2)インドールアミン(セロトニン,メラトニン),3)イミダゾールアミン(ヒスタミン),および4)コリン(アセチルコリン)などが,非常に高濃度に脳内の特定領域に分布し,脳機能に重要な役割を果たしていると考えられているのは,周知の事実である。しかし,これらの物質の神経解剖学的な知識については,わずかにカテコールアミンとセロトニンが螢光組織化学法によって顕微鏡下に可視化され,解明されてきたにすぎない。
Recent advances in immunohistochemical methods have permitted providing much informations in neuroanatomical fields. In addition to neurosecretory function of brain peptides, morphological evidence have been given for the existence of extrahypothalamic peptide systems, and some examples were discussed. Cholinergic systems in mammalian CNS have been demonstrated by employing antibodies against choline acetyltransferase, a synthesizing enzyme of acetylcholine. The distribution of cholinergic neurons is briefly reviewed.
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