Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
神経支配を断たれた筋(除神経筋)は正常とは異なった性質を示すようになる。たとえば終板外アセチルコリン(ACh)感受性の出現(増感現象),テトロドトキシン(TTX)抵抗性活動電位の出現,静止電位の低下,筋収縮速度の延長などが起こってくる8)。これらの変化は除神経現象と総称される。再神経支配に伴ない筋の性質は再び正常に戻る。
つまり運動ニューロンには,伝達物質としてAChを放出し筋収縮を引き起こす機能のほかに,筋の性質を長期的に維持している別の機能があることが考えられる。後者の機能を引き起こしてつる実体は明らかでなく(栄養性因子という),二つの仮説が提出されている8,16)。第一は神経のインパルスによって引き起こされる筋活動が,筋の性質を維持しているという説である(活動説)。第二は,神経のインパルスを介さずにある種の物質(栄養物質)が神経から出て,筋の性質を維持調節しているという考えである(栄義物質説)。
Abstract
Many properties of muscle change following denervation and recover following reinnervation (Harris, 1974). Therefore, it is believed that the motor nerve has a regulatory effect (s) on muscle. This effect may be exerted either by muscleactivity mediated by neuronal impulses or a trophic substance, or by both. In this paper, an emphasis will be made that the trophic effects are regionally different along a muscle fiber.
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.