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まえがき
現在,脊髄小脳路系は四つの経路からなることが一般に認められている35,36)。後肢領域からの情報を伝えるものとしてクラーク柱起源の後脊髄小脳路(dorsal spinocerebellar tract,DSCT)と脊髄辺縁細胞(spinal bordercells,SBCs)起源の前脊髄小脳路(ventral spinocerebellar tract,VSCT)があり,前肢領域からの情報を伝えるものとして,副楔状束核起源の副楔状束核小脳路(cuneocerebellar tract,CCT)と頸膨大起源の吻側脊髄小脳路(rostral spinocerebellar tract,RSCT)とがある。機能的にはDSCTとCCT,RSCTとVSCTとが対応するものとされている。これらの経路の起始細胞(起始核),走行,小脳皮質における終止部位を解剖学的な面から考察してみる。CCTは延髄下端にある特定の核から起こるので単一の経路と見做しうる。RSCTは起始細胞不明で形態学的には実証されていない経路である。DSCTの起始はクラーク柱で,VSCTの起始は脊髄辺縁細胞(SBCs)である。その経路や小脳における終止部位もすでに明らかにされたものとして記載されている。しかしながら,これら二つの最も古典的な経路でさえ,その定義は決して明確でない。
Recent advances in the study of the spinocerebellar tracts (SCTs) have been reviewed with special reference to the cell origin and projection pattern.
Our studies using the HRP method identified cells of origin of the SCTs in the entire length of the spinal cord. HRP-labeled SCT neurons were classified into 11 groups according to their location, manner of grouping and the course of axons within the spinal cord.
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