Japanese
English
特集 神経結合形成の諸問題
脊髄下行性投射の形成
Formation of Descending Pathways to the Spinal Cord
岡戸 信男
1
,
酒匂 裕子
2
,
岡田 明
2
,
小島 徳造
2
Nobuo Okado
1
,
Hiroko Sako
2
,
Akira Okada
2
,
Tokuzo Kojima
2
1筑波大学基礎医学系解剖
2日本大学医学部第二解剖学講座
1Department of Anatomy, University of Tsukuba, Institute of Basic Medical Sciences
2Department of Anatomy, Nihon University, School of Medicine
pp.417-436
発行日 1986年5月1日
Published Date 1986/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406205702
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まえがき
胎生期のかなり初期,例えばニワトリでは3.5〜4日胚26)(図1),またヒトでは頭臀長20mm (7.5〜8週齢)17)ので胚はすでに自発運動を開始する。この時期の胚はどの動物でも外形は似ている。脳胞は透き通り,いかにも未熟な状態である。
しかしこんな早期の胚でも行動(自発運動)開始時から何がしかの神経回路が形成されている。胚に見られる自発運動は筋が勝手に動くいわゆる"筋原性"ではなく,神経回路によって引き起されることが1929年Cog-hill12)のサンショウウオを使った研究で明らかになった。以来行動の出現,発達に必要な解剖学的背景(主に神経回路網の形成)を明らかにする研究は1930年代,Windle95)らによって行われた。
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