Japanese
English
特集 末梢神経—基礎と臨床
糖尿病性ニューロパシイ—消化管運動障害とアキレス腱反射に関する研究
Abnormal GI tract motility and Achilles tendon reflex in diabetic patients
後藤 由夫
1
,
中目 千之
1
,
今井 信行
1
,
赤井 裕輝
1
,
長崎 明男
1
,
及川 登
1
Yoshio Goto
1
,
Chiyuki Nakaname
1
,
Nobuyuki Imai
1
,
Hiroaki Akai
1
,
Akio Nagasaki
1
,
Noboru Oikawa
1
1東北大学医学部第三内科
1Third Department of Internal Medicine Tohoku Univcrsity School of Medicine
pp.341-348
発行日 1982年4月10日
Published Date 1982/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431905395
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I.緒言
糖尿病の成因として古くは神経説が提唱されたことがある。Claude BernardまたNaunynはそれぞれ異なった見方より糖尿病は神経系の障害によって起こるのではなかろうかと考えたのである。糖尿病患者に見られる各種の神経障害を示唆する症状や徴候は糖尿病の合併症であるとしたのはMarchal de Calviであるといわれている。インスリン発見以後は神経説を信ずるものはないが,治療の進歩による罹病期間の延長によって神経障害を伴なう糖尿病患者の数は非常に多くなった。
糖尿病患者に見られる神経障害は中枢神経系より末梢神経に至るまでいずれの部位にも起こり,その症状はきわめて多彩である。われわれはこれらを臨床的な立場より観察してきたが,ここには自律神経障害としての消化管運動を他の末梢神経障害の有無別に,消化管ホルモンとの関連より分析した成績と,アキレス腱反射に関する成績について述べる。
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