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特集 遺伝子疾患解析の発展
家族性アミロイドポリニューロパシー
Familial amyloidotic polyneuropathy
荒木 淑郎
1
Shukuro Araki
1
1熊本大学医学部第1内科
pp.42-47
発行日 1988年2月15日
Published Date 1988/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905096
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家族性アミロイドポリニューロパシー(familiai amyloidotic polyneuropathy:FAP)は,全身臓器にアミロイドが沈着する系統的アミロイドーシスのなかで,とくに末梢神経障害を主症状とする常染色体優性の遺伝性疾患である。
1952年,ポルトガルのAndradeは,ポルト市の北部海岸のPóvoa de VarzimにFAPの集積家系を報告したが,本邦では1967年,荒木らが熊本県北部A市にFAPの一大家系について始めて報告し,1973年,鬼頭らは長野県北部にFAPの大家系を報告している。その後,FAPについては,世界各国から報告があいつぎ,病型はポルトガル,日本,スウェーデンは下肢から多発ニューロパシーが上行する型であることがわかり(第1型),米国インディアナ州のスイス系とドイツ系の家系では,上肢始発型(第2型)であり,さらにフィンランドからは顔神経障害を主徴とする顔型(第3型)であることがわかり,今日では,臨床病型は,便宜上以上の3型に区別されている1)(表1)。
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