発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007149744
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
著者らの作製した装置を用いて、アキレス腱反射の波形を測定した。その結果、1)アキレス腱反射の計測では反応時間、最大波高、1/2弛緩時間が有力であった。この波形は反射の低下状態から亢進にかけて、反応時間は短縮した。2)頸髄症例のアキレス腱反射の叩打力と波高との関係は、叩打力が小さくても反応はすぐに最大となった。高度な頸髄症例では、わずかな叩打力で反射波形は連続し足間代(クローヌス)が記録された。逆に二次ニューロンの障害された椎間板ヘルニア例では腱反射の相対的低下が記録された。3)頸髄症と胸髄症(A群)、健常者(B群)、脊柱管狭窄症(C群)の3群による比較検討では、右アキレス腱の結果は、反応時間、1/2弛緩時間ともA群が最小、B群が中間、C群が最大値を示した。また、波高はA群が最大で、B群、C群の順で小さくなった。これらの結果は、腱反射の亢進した症例の多いA群と低下した症例の多いC群、その中間のB群の性質を表していた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007