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I.はじめに
進行性筋ジストロフィー症(PMD)は,原因不明の遺伝性疾患である。今日,一般には,PMDの病因は筋細胞膜の欠陥による10)と考えられ,膜異常の立場から,筋細胞膜にかぎらず,広く赤血球膜についても検討がすすめられている。とくに赤血球は,簡単に検査資料が得られるという利点から,多数の研究が進められているが,形態学的および生化学的研究には,検査技術上の問題を含めて,その成績については異論が多い。
赤血球膜などの生体膜は,Singerらの提唱した流動モザイク模型の条件16)を,ほぼ満足するものであり,物理学的に異常の有無を検索する方法としては,電子スピン共鳴法(ESR),核磁気共鳴法(NMR)およびX線回折法などがある。Duchenne型PMD患者の赤血球膜については,ESRによる測定では,膜の流動性が高くなっているとされている14,19)。
Abstract
Previous reports regarding osmotic fragility of the erythrocytes in Duchenne muscular dystrophy (DMD) were reviewed including our results studied by coil planet centrifuge (CPC).
Our materials were erythrocytes from 35 patients (age 8~15 y.o.) with DMD, 7 Duchenne carriers (age 30~38 y.o.), 8 normal boys (age 2.5~12 y.o.) and 13 normal female adults (age 19~53 y.o.). The whole blood (12μl) were packed into the higher osmolar end of the coil tubes filled with fluids of gradient (NaCl, NaSCN, NaI with or without 10-7 mol of ouabain, 30~150 mOsm).
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