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はじめに
電気刺激を治療ならびにリハビリテーションの領域に用いようとする試みはこれまで再三なされてきた。たとえば低周波・超低周波・平流を麻痺筋に加えて筋の収縮を起こさせ,筋の退化を防ぐとともに回復を期待しようとする試みはその1例である。これらの治療法の効果については多くの議論がなされてきたが,とりわけ上位運動ノイロンの障害に対する電気刺激の問題点の一つに,かえって痙性を増すのではないかという懸念が残されてきた。
最近十数年の間に,長期間または永久に生体の障害された機能を電気刺激により補うことにより,生体の失われた機能を代償しようとする機能的電気刺激療法(functional electrical stimulation,以下FESと略)という概念が確立され,徐々にその応用範囲を広めつつある。たとえば埋込み型心臓ペースメーカーはすでにわが国でも実用化しており,また最近では痛みに対する電気刺激も臨床的に応用されようとしている。本稿では,とりわけ脳血管障害・頭部外傷などによる麻痺性尖足に対する電気刺激療法の開発状況について述べ,あわせて今後の展望についても触れてみたい。
Abstract
Electrical stimulation is emerging as a new therapeutic and rehabilitation agent. The purpose of this paper is to review clinical application of so-called functional electrical stimulation assuming restoration of lost functions and alteration of abnormal movements, especially foot drop due to centrally paralised ankle dorsiflexor muscles.
The concept of peroneal nerve stimulation was initially proposed by Liberson (1961). His originalidea was turned into clinical reality by the Ljubljana group, Yugoslavia, culminating in the Ljubljana Functional Electrical Stimulating Brace (using surface electrode).
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