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特集 脳研究の進歩—東京大学脳研究所創立30周年記念
細胞核のレベルからみたノイロンとグリア
Neuron-and-Glia Problem, Studied at the Level of Cell Nucleus
黒川 正則
1
,
加藤 尚彦
1
,
稲村 博
2
Masanori Kurokawa
1
,
Takahiko Kato
1
,
Hiroshi Inamura
2
1東京大学医学部脳研究所
2東京大学医学部精神医学教室
1Institute of Brain Research, Univ. of Tokyo Faculty of Med.
2Dept. of Neuropsychiatry, Univ. of Tokyo Faculty of Med.
pp.307-315
発行日 1968年8月25日
Published Date 1968/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904511
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I
神経系における物質のうごきを解析するにあたつて,この器官に特徴的な代謝系の存在や代謝調節のメカニズムを一般生化学の言葉で理解することは重要である。しかしこれには神経系の構造的,機能的な特徴にねざす問題,端折つていえば細胞生物学レベルの問題がたえすからまつている。
神経系細胞の構造的,機能的な特殊性をあまり強調しすぎることは,物質の側からみて危険なことである。とはいえ神経系にたいする一般生化学の接近がきわめてかぎられた分野でしか実をあげていないという事実は,神経生化学といういちじるしく流動的な領域の存在意義ともつながつている。
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