特集 神経学における最近の研究
<病理>
痴呆の病態的側面—脳退行変性過程
石井 毅
1
1東京都精神医学総合研究所超微形態研究室
pp.770-772
発行日 1978年7月10日
Published Date 1978/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904926
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人の精神活動を支える脳の変化は,痴呆の背景となる点で身体臓器のそれ以上の意味をもつ。病理学的にも人の脳の老人変化には,動物にみられない特異な変化が見出されている。このような変化は初老期,老年期痴呆の脳にことに多量に出現するのである。それは単に脳の退行変性の延長線上にあるのか,それとも特殊な病的過程なのか,あらためて問われねばならない。なぜなら,これらの変化はダウン症状群,骨髄性白血病患者との間に遺伝的関係があり,また最近感染症との関連も示唆されているからである。
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