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特集 パーキンソニズム(第4回脳のシンポジウムより)
老人性脳退行変性の組織化学—黒質の老化を中心として
Ageing of the Substantia Nigra: Histological and Histochemical Studies
平井 俊策
1
Shunsaku Hirai
1
1東京大学医学部老年病学
1Dept. of Geriatrics, Faculty of Med., Univ. of Tokyo
pp.845-849
発行日 1968年12月25日
Published Date 1968/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904550
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I.緒言
今日のシンポジウムの主題であるparkinsonismの中心をなすparalysis agitansには二つの特徴がある。即ち第一に病変がsubstantia nigra,locus coeruleusなどのcatecholamine代謝乃至はmelanogcnesisに関係した部位に最も強い事及び第二に発症が中年期以後に多くその2/3が50〜60歳代に発症するという事である。私には老人性脳退行変性の組織化学という副題が与えられているが,老人脳を研究している者の1人として,かかる見地より黒質の老化という事に焦点をしぼり自験剖検例を用いて形態的,組織化学的に若干検討した結果を報告する。
なお私の用いた材料は当科及び関連病院で剖検されたparalysis agitans以外の諸疾患による死亡例47例(20歳代4例,30歳,40歳代各1例,50歳代3例,60歳代8例,70歳代191列,80歳代10例,90歳1例)とparalysis agitans 4例(中2例は黒質のみ検索)である。
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