特集 神経学における最近の研究
<生化学>
神経ペプチド
柿本 泰男
1
1愛媛大学医学部精神医学教室
pp.708-709
発行日 1978年7月10日
Published Date 1978/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904902
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ペプチド研究は今や神経科学の最大のトピックの1つで,毎週学術雑誌に載せられる論文は10を下らない。ペプチドの分離,構造決定,合成技術の進歩,ラジオイムノアッセイ,免疫組織化学の進歩によるところが大きい。そして脳以外の組織で研究されてきた物資も,脳の機能と密接な関係があることが,生理学的,組織学的技法で明らかにされてきた。従来アミンを中心に行なわれてきた神経伝達の研究も数多くのペプチドの登場をむかえて新たな展開を見せようとしている。いまだ疾患の病態解明への方向,あるいはそれを基礎にした治療への貢献は弱いが,ここ数年の中に脳神経疾患の研究も急速に進歩すると考えられる。この小編では極くあらましを紹介するにとどめる。
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