Japanese
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特集 失語・失行・失認
猿,類人猿における失認,失行,失語の研究
Experimental Studies on Agnosia, Apraxia, and Aphasia in the monkey and ape
岩井 榮一
1
,
城戸 サヨ子
1
,
大沢 康隆
1
Eiichi IWAI
1
,
Sayoko KIDO
1
,
Yasutaka OSAWA
1
1東京都神経科学総合研究所
1Tokyo Metropolitan Institute for Neurosciencies
pp.1029-1039
発行日 1977年10月10日
Published Date 1977/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904806
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I.はじめに
本記載の目的は,動物実験によって,失語,失認,失行の神経機構を研究しうるかを検討することである。現状では,残念ながら,この種の問題解決の進歩はあまりみられていない。それは,第1には,言語,認知,行為など高次元の思考過程の範疇に入る神経機構はヒト固有のものとし,動物実験によっては解決しえない研究分野とする考え(可能性に対する懐疑的偏見)があること,第2には,この種の問題が関学すると考えうる連合野に関する種属間の相同性や類比性の問題であり,第3には動物による研究方法論の問題があるからである。
反面,最近,動物実験によりこの種の問題解決をはかりたいという要請もある。それは,第1に,臨床面での研究—とくに,発現病巣部位解析の研究—の限界に基づくものであり,第2には,動物の連合野の機構解明,さらにはヒトと動物との連合野の機能的相同性の問題の解決の必要性に基づくものによる。
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