Japanese
English
特集 睡眠と意識障害
2,3の薬物による意識障害時のネウロン活動
The Effect of Anesthetic Agents on Neuronal Activities
沢 政一
1
,
和泉 貞次
1
Masaichi Sawa
1
,
Teizi Izumi
1
1新潟大学医学部精神医学教室
1Dept. of Psychiatry, Niigata Univ. School of Med.
pp.640-645
発行日 1971年4月30日
Published Date 1971/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904665
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Ⅰ.はじめに
私どもはここ数年の間に実験的に猫の脳の各領域について,単一細胞のレベルでその活動性を観察し,ことに各種刺激に対する反応や,さらに自然睡眠,幾つかの薬物によつてそれがどのように変化するかを追究してきた。これはこうしたことから,睡眠なり意識障害時なりにおける神経機序について何等かの解明ないしは解明への手がかりが得られるのではないかと考えたからである。
ここではこのような一連の実験結果のうちから2,3の薬物によるネウロン活動の変化をとり上げてみたいと思う。2,3の薬物というのは実験動物としての猫の意識水準が低下する方向に作用する薬物の中からバルビタール,エーテル,低級脂肪酸の一種のGamma-hydroxybutyrolactone(GBL)ならびにシンナーの4つである。初めの3つのものについては既に原著として発表しているので1),出来るだけ簡単に述べることにしたい。最後のシンナーについてはシンナー嗜癖とか急性シンナー中毒とか今日的な社会問題としての要請もあろうかと思うが,この点を考慮した詳細な実験結果については別に原著にして発表するので2),ここでは結果の一部,特にシンナーのネウロン活動に及ぼす影響についてやや詳しく述べてみたいと思う。
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