特集 感染症を病歴と診察だけで診断する!Part 2
【System 1─電光石火の感染症snap diagnosis編❺】
ある時は発熱,ある時は下痢,ある時は意識障害
赤澤 賢一郎
1
1湘南藤沢徳洲会病院 総合内科
キーワード:
39℃以上の高熱
,
比較的徐脈
,
大葉性肺炎
,
呼吸器症状に乏しい
,
肺外症状
,
βラクタム系抗菌薬無効
Keyword:
39℃以上の高熱
,
比較的徐脈
,
大葉性肺炎
,
呼吸器症状に乏しい
,
肺外症状
,
βラクタム系抗菌薬無効
pp.926-929
発行日 2015年10月15日
Published Date 2015/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200360
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Case
入院時になかった肺炎像が入院後に出現し,レジオネラ肺炎と診断された一例
患者:75歳,男性.
既往歴:高血圧,慢性C型肝炎.
喫煙歴:1箱/日×55年.
現病歴:入院の2日前から発熱.開業医・ERを受診したが,感冒と診断され解熱薬が処方された.力が入らず歩くことができないため内科外来を受診し,精査加療目的で入院となった.
所見:体温40.5℃,脈拍数95回/分,呼吸数16回/分,SpO2 95%(室内気).肺胞呼吸音清,副雑音なし.WBC 10,500/μl,Na 132mEq/l,AST 68Iu/l,ALT 98IU/l,γ-GTP 77IU/l,LDH 390IU/l,CRP 5.85mg/dl.胸部X線およびCTで,肺野の陰影は認めなかった.
入院後経過:入院後,低酸素血症と右下葉に肺炎像が出現し,尿中レジオネラ抗原も陽性化し,「レジオネラ肺炎」と診断した.LVFX投与で,症状は速やかに改善した.
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