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緒言
重症筋無力症に関する研究は従来,電気生理学的,薬理学的および病理組織学的方面において広く行なわれて来た。これらの研究は主として神経筋接合部における伝導障害に注目されているものであるが,最近組織化学的研究の進歩とともに本症において,神経原性の病変のみならず,筋原性の病変が共存することが明らかになつて来た。一方,本症の微細構造の変化については,Bickerstaff2)4),Woolf30),Zacks31)32)および本研究会においても太田ら37)の報告が骨格筋においてなされているが,いずれも神経筋接合部の変化に関してのものであり,それらについても現在まで定説となつているものはないようである。眼瞼挙筋をはじめとする外眼筋は本症の好発部位であり,神経筋接合部の数も他の骨格筋に比べて多いので,本症の電顕的研究にきわめて好適の筋肉である。しかるに筋無力症における外眼筋の電顕的観察は現在までほとんど行なわれていない。著者は最近得られた本症の外眼筋について,電子顕微鏡的観察を行ない,神経筋接合部におけるjunctional foldsに関する若干の所見および,本症においては従来報告されていない筋線維自体の変化を示す,興味ある所見を認めることができたので,これらにつき報告を行なう。
An electron microscopic study was done the extraocular muscles obtained surgically from 10 patients with myasthenia gravis, who were relatively young (3-27 years old). The specimens consisted of 6 rectus, 1 oblique and 4 levator muscles classified into Osserman type Ⅰ (ocular type) 7 and type Ⅱ (general type) 4.
In this study, 62 neuromuscular junctions of "Fibrillen-Struktur" muscle fibers and 5 of "Felder-Struktur" type were examined.
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