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緒言
ヒトの外眼筋は他の骨格筋と同様,横紋筋であり,筋無力症において最も侵されやすい筋肉である。しかし外眼筋は解剖学的にみて,その神経支配を異にするほぼ2種類の筋線維により構成されており1)8),その一つはヒトにおいては,他の骨格筋ではまだ見出されていないslowfiber系のものである。そのほか神経支配に富み,間質弾性組織が豊かであるなどの特徴がある。
これらの組織学的特異性を有する外眼筋がその変性過程において,他の骨格筋のそれとは異なる形態学的変化を示すことは想像に難くない。私はヒト外眼筋のうち,正常外眼筋を中心に他の2,3の病的外眼筋について電子顕微鏡下に観察し,その結果ring band,rodlike structure,satellite cellその他の諸所見を見出した。それらを一般骨格筋で見出されているものと比較し,外眼筋における意義やその特徴を明らかにしたい。
The human extraocular muscles are composed of two different types of muscle fibers, which have unique morphological, physiological and pharmacological features different from those of the other skeletal muscles.
In the present electron microscopy of the normal and two diseased human extraocular muscles (polymyositis and ocular myasthenia gravis), ring bands, rodlike structures (rods) and satellite cells were observed.
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