Japanese
English
特集 パーキンソニズム(第4回脳のシンポジウムより)
錐体外路の生化学—解剖学の立場より
Biochemistry on the Extrapyramidal System: From Anatomical Viewpoint
佐野 豊
1
,
村瀬 貴紀
1
Yutaka Sano
1
,
Yoshinori Murase
1
1京都府立医科大学・第1解剖学
1Dept. of Anatomy, Kyoto Prefectural University of Medicine
pp.859-868
発行日 1968年12月25日
Published Date 1968/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904552
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.まえがき
中枢神経系に含まれるcatecholamine(CA)の分布については,種々の領域にわたつて生化学的に詳細に追求されて来たが,形態学的にも,化学的伝達物質の分布という観点からmonoamine oxidase(MAO)の組織化学的証明によつて,間接的にではあるがmonoamine(MA)作動性ノイロンの分布がしらべられた。しかし,近年,後述するような手法によつて螢光顕微鏡的にCAの証明が可能となり,直視下に組織構造との関連においてその分布をとらえることができるようになつた。しかも,この方法にいくつかの前処置を加え,あるいは螢光波長を測定することによつて,adrenaline(A),noradrenaline(NA),dopamine(DA),serotonin(5 HT)などの別も明らかにすることができる。こうしていまや神経系全般にわたつて,MA作動ノイロンの新しい分布図が作成されつつあると同時に,MAの代謝とその生物学的意義についての根本的追求が新たな視点から行なわれようとしている。われわれは以下にのべるように,錐体外路系に分布するCAに焦点をしぼり,教室で行なわれた知見をもとにして,このシステムに含まれるアミンの生化学的研究の一部を補足し,また線状体疾患との関連においてDAの意義について考察したい。
Copyright © 1968, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.