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特集 第1回神経病理懇話会
錐体外路疾患—生理学の立場から
Extrapyramidal Motor Diseases: From the Standpoint of Neurophysiology
島津 浩
1
Hiroshi Shimazu
1
1順天堂大学
12nd Department of Phy-siology, Juntendo University
pp.25-41
発行日 1960年10月30日
Published Date 1960/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901807
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序論
はじめにおことわりしておくが,筆者はもとより佃々の錐体外路"疾患"の神経生理学酌機序について論ずるつもりはない。ここで述べたいことは,われわれがこれまで行なつてきた動物実験及び患者を用いての種々の検査結果に基いて,錐体外路疾患を解明してゆくために必要不可欠と思われる知見を整理し,異常筋緊張並びに異常運動の複雑な組合わせによる諸種の"症状"にある程度の体系を与えたいということである。
神経病学の領域では錐体外路症状を異常運動と異常緊張に大別して分類するのが普通のようである。例えばhypokinetic-hypemtonicとかhyperkinetic-dystonicとかいう類である。そこで先ず"運動"及び"緊張"なる2つの概念の生理学的内容に立ち入つて検討することがこれら病的症状の神経機序を解明するための第一歩であると考える。
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