Japanese
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特集 パーキンソニズム(第4回脳のシンポジウムより)
Catecholamine代謝とうつ病
Catecholamine Metabolism and Depression
高橋 良
1
Ryo Takahashi
1
1東京大学医学部精神医学教室
1Dept. of Psychiatry, Faculty of Med., the Univ. of Tokyo
pp.870-872
発行日 1968年12月25日
Published Date 1968/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904553
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(1)躁うつ病者の尿中カテコールアミン(CA)と代謝物の研究から体内CA生合成の律速段階であるチロジンからDOPAへの過程の変動を推測し,安静時並びにチロジン負荷時の血中チロジン濃度を測定することによつてうつ病者のチロジン代謝を研究した。
(2)内因性うつ病者13名の安静時血中チロジンレベルは正常人群と有意差はなかつた。
(4)チロジン負荷後正常人の血中チロジン濃度は2時間にピークを示し以後減少するが,うつ病者群では4時間後も高値を示し,2時間,3時間,4時間後の各値が正常人群より有意に高かつた。
(4)このチロジン忍容力の低下は腎排泄の減退や甲状腺機能の昂進の結果ではなく,チロジン代謝の遅延によるものと考えられた。
(5)現在研究中の躁病例の研究結果やチロジン代謝の性質からみて,以上の所見はチロジンからDOPAへの過程の減退のみでは説明できないと考えられた。
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