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特集 てんかん
てんかんの社会精神医学—昭和39年全国統計調査より
Social psychiatry of epilepsy: statistical survey of whole Japan in 1964
笠松 章
1
,
平井 富雄
1
,
後藤 蓉子
2
A. Kasamatsu
1
,
T. Hirai
1
,
Y. Goto
2
1東京大学医学部精神衛生学教室
2東京大学医学部精神医学教室
1Dept. of Mental Hygiene, Faculty of Med., Univ. of Tokyo
2Dept. of Psychiat., Faculty of Med., Univ. of Tokyo
pp.743-750
発行日 1968年10月25日
Published Date 1968/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904541
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I.緒言
てんかん患者の場合,その発作症状,性格変化,知能障害をあわせもつ臨床像と,慢性経過とのために,ほかの器質性脳疾患や精神病の患者とは異なる社会適応障害をまねくことは想像にかたくない。現代の社会構造の中で,てんかん患者がどのような社会的基盤の上に発病し,治療を受け,生活しているかの実態をつかむことは,社会医療対策の基礎知識としても要求されるところである。
少し過去にさかのぼるが,昭和39年「てんかんの成因と治療」研究班は,てんかんの疫学的・社会医学的調査を全国的に行なつた。サンプル数からいつて不満足な点はあるが,全国調査としてわが国で初めての試みであり,各大学施設で行なわれる局地的な調査では得られない資料も含まれているので,この機会に筆者らが,当時の全班員(本稿の最終頁参照)から寄せられた資料を総括整理して報告する責務があると考えたしだいである。(資料に関する特別な事情があつて発表のおくれたことをここにおわびする)
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