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精神障害の調査—昭和38年精神衛生実態調査と過去の調査
大谷 藤郎
1
1厚生省公衆衛生局精神衛生課
pp.31-34
発行日 1964年3月10日
Published Date 1964/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203059
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精神障害者が地域社会のなかでどのような状態にあるか,つまり,その数や,受療状況,生活実態などをつまびらかにすることは,精神障害者対策を進める前提として不可欠のことである.しかも,精神障害の問題は新聞紙上にもしばしばとりあげられているように,今日的な社会問題として世論の注目の的となっているので,いよいよその実態を把握することが必要となってきている.
このような社会的要請のなかで,昭和38年7月1日を期して,厚生省の精神衛生実態調査が実施され,11月にその結果が発表された.しかし,すでにその内容については,新聞紙上でも報道せられて,ご承知のことと思うので,ここでは,特に公衆衛生の見地から,読者の方々にご参考になるように疫学的方法論に重点をおいて説明を加えて,そのうえで調査結果について簡単な説明を加えようと思う.
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