霞ガ関だより
昭和43年結核実態調査の結果について
pp.70-71
発行日 1969年8月1日
Published Date 1969/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203713
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わが国における結核の様相は,結核対策の推進,医療技術の進歩,さらに経済の高度成長に伴う経済社会変動などにより,著しく変化してきた.結核死亡率の急激な減少は,昭和42年,はじめて人口10万対20の大台を割り,若年層の結核患者の激減に対して,結核が老人層に片寄り,さらに結核患者の地域的格差や低所得階層への偏在がいっそう強まる傾向を示している.
厚生省はこの結核蔓延状況の変化に対応して,科学的データに基づいた適切な結核対策を推進するため,昭和28年以降都道府県,政令市の協力を得て,5年ごとに結核実態調査を実施してきた.この調査は世界的にも類例のない大規模で精密な調査といわれており,その結果得られた資料は,その後の結核予防行政ならびに医療行政の企画運営に多大な影響を与え,かつ大きな推進力となってきた.
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