Japanese
English
特集 精神薄弱
Phakomatose(母斑症)の病理
Pathological Study on the Phakomatose
室伏 君士
1
Kunshi Murofushi
1
1順天堂大学精神神経科
1Department of Neuro-psychiatry, School of Medicine, Juntendo University
pp.243-256
発行日 1968年4月25日
Published Date 1968/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904500
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I.緒言
Phakomatose(母斑症)はVan der Hoeve(1933)1)により提唱されたものであるが,これには本来的に他の類縁疾患群の分類概念との関係においていくつかの問題点をふくむため,まずもつて概念の規定とその後の変遷を把握する必要がある。かれは,一般に母斑(naevus)については母斑細胞が特徴であるが,そのため網膜,脈絡膜,紅彩,神経系の母斑とよぶ不合理さから,ラテン語の≪naevus≫に対して同意語のギリシヤ語の≪phakos≫という語を使い,これを先天性,家族性,遺伝性の,多少とも膨隆した斑という意味のもとに,その腫瘍性になつたものを≪phakome≫とし,Phakomatoseという概念を設定した。そしてかれは,最初の報告をした著者の名前を冠してBourneville,Recklinghausen,Hippel-LindauのPhakomatoseとよび,この三つの疾患を含めた。Phakomatoseについては,後にSturge-Weber病をこれに加えて,四つを称するようになつた。しかしSturge-Weber病については,やや異論もあり,Krabbe,Bartels(1944)2)はPhakomatoseについて,Sturge-Weberをのぞき,第四のPhakomatoseとして,Lipomatosecirconscrite multiple(多発性限局性脂腫症)を加えている。
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