Japanese
English
特集 精神薄弱
低血糖と精神薄弱
Hypoglycemia and Mental Deficiency
小宮 和彦
1
,
有馬 正高
1
Kazuhiko Komiya
1
,
Masataka Arima
1
1東邦大学医学部小児科学教室
1Department of Pediatrics, School of Medicine, Tōhō University
pp.203-212
発行日 1968年4月25日
Published Date 1968/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904496
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I.緒言
低血糖症と精神薄弱はときに合併する。低血糖発作がある程度続くと,脳の器質的障害をおこし,その結果精神運動発達の障害をひきおこすことになる。ゆえに原因を問わず新生児期ないし幼児期の低血糖症は,精神薄弱の原因になりうる。
低血糖症はまた糖代謝異常の表現でもあり,粘神薄弱をひきおこすある種の先天異常において,低血糖症は原因としてではなく併存することもある。たとえばgalactosemiaや楓糖尿病において低血糖は早期からみられるが,低血糖に対する対症療法のみで精神薄弱の予防は期待できない。以下,主として精神薄弱の原因となりうる新生児期,乳児期の低血糖症を中心に考えてみる。
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