Japanese
English
特集 小児神経病学
小児の髄膜炎,とくに化膿性髄膜炎の臨床
Meningitis in Children, with Special Reference to Purulent Meningitis in Infancy
有馬 正高
1
,
小宮 弘毅
1
,
鈴木 昌樹
1
,
小宮 和彦
1
,
鴨下 重彦
1
Masataka Arima
1
,
Hirotake Komiya
1
,
Masaki Suzuki
1
,
Kazuhiko Komiya
1
,
Shigehiko Kamoshita
1
1東京大学医学部小児科教室
1Department of Pediatrics, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.228-240
発行日 1962年7月25日
Published Date 1962/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903960
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小児の髄膜炎は,各種細菌,virus,原虫,真菌など病原体が多様であると同時に,年齢によつて臨床症状が変化に富んでいる。さらに近年における抗生物質の発達は逆に不完全な治療をまねき,とくに細菌性髄膜炎においては著しく修飾された病像を呈し,診断をいつそう困難なものにしている。
細菌性髄膜炎の問題は一見解決されたかに見えるが,新生児期,乳児期,学童期などにおける病原体の種類に年齢的特徴があるのは何故か,中枢神経の感染に対する反応としての臨床症状に年齢的差異があるのは何故かなどの点については,必ずしも完全な解答が得られていない。近年における抗生物質療法の発達により後遺症の問題はいつそう重要となり,それと同時に合併症としてのsubdural empyemaおよびeffusionsの重要性が新たに認識されるようになつた。耐性菌の出現は治療上大きな障害となり,治療の進歩はさらに新しいいくつかの問題を提示しつつある現状である。
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