Japanese
English
特集 精神薄弱
新生児脳傷害と精神薄弱
Relationship of Brain Damage in Neonatal Period to Mental Retardation
有泉 基水
1
,
馬場 一雄
1
Motomizu Ariizumi
1
,
Kazuo Baba
1
1日本大学医学部小児科
1Department of Pediatrics, School of Medicine, Nihon University
pp.191-202
発行日 1968年4月25日
Published Date 1968/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904495
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I.はじめに
新生児期あるいは周生期における高ビリルビン血症および新生児仮死などによる脳障害,および未熟児のゆえに脳性麻痺をきたすことはよく知られた事実である。この脳性麻痺は精神発達遅滞あるいは知能欠陥を伴うものが高率に認められるとされている。Burgemeister,Blumは50%,WoIfeは44%,Phelpsは30%,McIntireは28%,Garretは20%などと報告され1),高瀬1)も団体知能検査ではI. Q. 70以下のものは約30%でMcIntireの値に近く,個人知能検査では約15%と,検査法によりかなりの差があることを述べている。
また,脳性麻痺の型と知能欠陥の頻度との関係1)はBurgemeisterやWolfeは不随意運動型において知的欠陥の頻度が高いとしており,高瀬1)はAthetoidがI. Q. 平均101,Atax. 99,Spastic 94でAthetoidが最もよく,Spasticが最も悪い。ところが,団体知能検査の結果からみるとAthetoidに知的欠陥が最も多くBurgemeisterやWolfeの所見と一致している。このように新生児期あるいは周生期の脳の損傷は運動機能の障害をもたらすのみでなく,精神あるいは知能の発達をも遅延させることを忘れてはならない。
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