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特集 第8回神経化学懇話会
一般演題および討論
脳ミトコンドリアのADP呼吸調節およびミトコンドリア内PNの酸化還元に及ぼすMgイオン等の影響
On the Effect of the Magnesium Ions to the Respiratory Control of Rat Brain Mitochondria and to the Oxidation-Reduction of Intramitochondrial Pyridine Nucleotide
岩本 省司
1
,
木村 潔
1
,
長井 音次
2
Shoji Iwamoto
1
,
Kiyoshi Kimura
1
,
Otoji Nagai
2
1和歌山県立医科大学神経精神科
2和歌山県立医科大学第一生理
1Dept. of Psychiatry. Wakayama Medical College
2Dept. of Physiology. Wakayama Medical College
pp.239-243
発行日 1966年7月15日
Published Date 1966/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904288
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共役性ある全脳ミトコンドリアのコハク酸呼吸における呼吸調節の機構を酸素電極による呼吸曲線およびミトコンドリア内在PNの酸化還元水準の遷移(螢光による)から検討し考察した。
(1)呼吸速度は燐酸化反応へのADPの関与によつて調節される。燐酸化反応の場へのADPの供給,ANの相当転換などはADP呼吸調節の第2次調節機構となる。
(2)EDTA,Mgイオンなどは第2次調節系に重大な影響を与えている。呼吸調節律R. C. R. を目標としてみるとき,Mgイオンは2相性の影響を示した。低濃度域ではR. C. R. を増大し,高濃度域ではR. C. R. を減少させた。Mgの賦活作用を受けるものは,後者ではATP-ase活性であり,前者ではadenylate kinaseのごとき活性である。
(3)EDTAとMgイオンは互いに拮抗し,酸化還元に対して,EDTAはPNの還元的なATP様1乍用を有しM9は酸化的なADP様作用を示した。
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