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特集 第8回神経化学懇話会
一般演題および討論
脳アセチルコリンエステラーゼの量的分布差および細胞学的局在部位に及ぼす電気ショックとストレスの効果
Effect of Electroconvulsive Shock and Enforced Activity on Both Regional Distribution and Cellular Localization of Neuronal Acetylcholinesterase in the Rat Brain
福田 哲雄
1
,
松田 良一
1
,
宇川 進逸
2
,
藤家 康敏
2
,
吉田 康雄
2
,
木原 隆
2
Tetsuo Fukuda
1
,
Yoshikazu Matsuda
1
,
Shin-itsu Ukawa
2
,
Yasutoshi Fujiiye
2
,
Yasuo Yoshida
2
,
Takashi Kihara
2
1大阪医科大学神経科
2大阪医科大学第二解剖学教室
1Dept. of Neuropsychiat., Osaka Medical College
22nd Dept, of Anatomy. Osaka Medical College.
pp.233-238
発行日 1966年7月15日
Published Date 1966/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904287
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I.緒言
脳のアセチルコリンエステラーゼ(AChE)はこんにちでもなお種々の研究の対象となつている。その理由のおもなものとしては,自律神経中枢ことに副交感系作働物質であるアセチルコリン(ACh)の分解酵素としての意義のほかに,脳の化学的伝達物質としてのAChの機能的役割が,一部の反証1)にもにもかかわらずいまだに有力視されている事実2)〜4)をあげることができる。もう1つは,AChEが神経細胞内でRNAを通じて合成される5)6)という,蛋白質ないし酵素の生合成における一般原則にあてはまり,いわゆるone gene-one enzyme theory7)による遺伝生化学と神経機能に橋をかけるのに恰好な対象と思われる点があげられよう8)。
以上の見解に基づいて,われわれは各種の研究を行なつてきたが,今回は表題の内容について若干の知見を得たので報告する。
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