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I.はじめに
性行動は種族保存を目的とした動機づけ行動であり,視床下部—脳幹系を中心とした脳構造の活動を媒介しつつ,神経性調節と内分泌調節との協調によってはじめて出現してくる行動である。
性行動が視床下部—脳幹系を媒介として出現する他の動機づけ行動,たとえば摂食,飲水,体温調節などの行動とやや異なる点は,これらの行動には生体の内部環境の異常を復元する目的があるため,個体の生活維持にとって欠くことができない行動であり,内部環境が正常に復元するとその行動は停止するのに,性行動だけは,少なくとも物質の欠乏が行動開始の引き金にはなっておらず,それを遂行したとしても個体自身にはあまり利益をもたらさない行動である点である。さらに,性行動はその目的を完遂するためには同種のパートナーを必要とし,交尾中は外敵に対しても無防御に近く,個体の生命にとってきわめて不利な行動でもある。
In this section, we reviewed the hormonal and neural hypothalamic control of reproductive behavior of the male rats.
When the male starts copulation, the partner must be in estrus. The male needs to identify whether the partner is in estrus or not by various means. Then, the behavior interaction between partners seems to play an important role for initiation and maintenance of the copulatory performance.
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