Japanese
English
総説
視床下部ホルモン
Hypothalamic Hormone
井村 裕夫
1
,
加藤 譲
1
Hiroo IMURA
1
,
Yuzuru Kato
1
1京都大学第2内科
1Second Department of Internal Medicine, Faculty of Medicine, Kyoto University
キーワード:
Hypothalamic hormone
,
Monoamine
,
Neuropeptide
,
Pituitary hormone
,
Releasing hormone
Keyword:
Hypothalamic hormone
,
Monoamine
,
Neuropeptide
,
Pituitary hormone
,
Releasing hormone
pp.111-120
発行日 1978年2月10日
Published Date 1978/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436200761
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Ⅰ.はじめに
下垂体前葉ホルモンの分泌が中枢神経系,とくに視床下部によって調節されていることはかなり古くより知られていた.そして下乖体前葉と視床下部との間に神経線維による連絡がないところから,体液性調節が想定されていた.この体液性調節物質として最初に注目されたのはエピネフリン(Sawyerら1),1948)であるが,次いで1955年にGuilleminら2),Saffranら3)がACTHの放出を促進するcorticotropin releasing factorを発見するに及んで,個々の下垂体ホルモンの分泌を調節する非アミン性のreleasing factor(releasing hormoneとも呼ばれる)やinhibiting factor(inhibiting hormone)の存在が次々と報告され,RFまたはIFによる下垂体前葉機能調節の古典的概念が確立された4).こうしたRF,IFは下垂体門脈系を経て下垂体前葉に達するところから,向下垂体性視床下部ホルモン(hypothalamic hypophysiotropic hormone)または単に視床下部ホルモン(hypothalamic hormone)とも呼ばれる,厳密に言えばvasopressin,oxytocinなどの下垂体後葉ホルモンも視床下部ホルモンに含めるべきであるが、通常は向下垂体性ホルモンを単に視床下部ホルモンと呼んでいる.
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