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特集 第7回神経化学懇話会
シンポジウムⅡ/神経系病態の生化学
実験的porphyrin症の神経化学的研究
Neurochemical Studies on Experimental Porphria
中尾 喜久
1
,
宇尾野 公義
1
,
和田 攻
1
Kiku Nakao
1
,
Masanori Uono
1
,
Osahnu Wada
1
1東京大学医学部中尾内科
1The Third Department of Internal Medicine, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.475-484
発行日 1965年9月25日
Published Date 1965/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904202
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まえがき
急性間歇性porphyrin(P)症は,P代謝異常(肝,尿のP体前駆物質porphobilinogen(PBG),δ-aminolaevulinic acid(ALA),P体の増加)と神経症状を主体とするメンデル優性遺伝性の代謝症患である。一方,各種の薬剤,sedormid1),allylisopropylacetamide(AIA)2),barbiturate3),hexachlorobenzene4),3,5-dicarbethoxy 1,4-dihydrocollidine(DDC)5),griseofulvin6)などが,生化学的に類似の変化を動物にひき起こせしめることがわかり,種々の研究がなされている。P代謝異常を来たす機序に関しては,最近までPBGからuroporphyrinを合成するPBGaseのBlock説が有力であった。しかし,本症では,有意のP体排泄増加があり,ALA投与により,健康人より多量のPBG排泄をきたし7),またglycine投与によりALA,PBG排泄が増加8)しかつ尿中のglycineが減少すること9)からむしろoverproduction説が有力になりつつある。しかし多彩な神経症状をひき起こす機序は解明されていない。
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