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特集 第7回神経化学懇話会
シンポジウムⅡ/神経系病態の生化学
白鼠および猿による実験的フェニールケトン尿症の研究
Studies on Experimental Phenylketonuria in Rats and Monkeys
平野 修助
1
,
野口 鉄也
1
,
塚田 裕三
1
Shusuke Hirano
1
,
Tetsuya Noguchi
1
,
Yasuzo Tsukada
1
1東邦大学医学部第2生理
1Dept. of Physiology, School of Medicine, Toho University
pp.467-474
発行日 1965年9月25日
Published Date 1965/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904201
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塚田1)らは先に3%L-フェニールアラニン(Phe)3%L-チロシン(Tyr)添加固形飼料を幼若白鼠に連続的に与えて,実験的にフェニールケトン尿症(PKU)を作り得る事を報告した。尿フェニールピルビン酸(PPA)排泄は上記飼料投与後40日目に仔鼠にのみ認められた。一方,血中Phe値の増加は比較的少なくTyr値が著明に増加しており,実験的PKUよりもむしろTyr血症に似た様相を示した。また脳中諸物質含量にも著変が認められなかつた。Waismanら2)は,Phe飼育にD型のものを使用しており,尿中へのPPAの排泄はD-アミノ酸酸化酵素によるもので,PKUとは全くその成因を異にしたものと考えなければならない。しかし上記のわれわれの方法ではL-Pheを用いてもPPAの排泄を認めるようになることは注目されねばならない。
そこで今回は7%L-Phe実験食で白鼠および猿を飼育し弁別学習および脳内アミノ酸分布の異常を調べ,あわせて肝中Phe,Tyr代謝系の諸酵素の活性と,尿中に出現するホモゲンチジン酸(Homg),PPAの周期的変動の成因についても検索した。
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