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特集 第7回神経化学懇話会
シンポジウムⅠ/脳の構成物質
チロシン水酸化酵素—脳および交感神経分布臓器に特異なカテコールアミン生合成酵素
1) Tyrosine Hydroxylase: A Specific Enzyme Associated with Catecholamines Biosynthesis in Brain and Sympathetically Innervated Tissues.
永津 俊治
1,2
Toshiharu Nagatsu
1,2
1名古屋大学医学部第1生化学
2Laboratory of Clinical Biochemistry, National Heart Institute, National Institutes of Health
1Dept. of Biochemistry, Faculty of Medicine, University of Nagoya
pp.460-465
発行日 1965年9月25日
Published Date 1965/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904200
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ドーパー脱炭酸酵素の発見(1939)1)以来,カテコールアミンの生合成は,フェニールアラニン→チロシン→ドーバー→ドーパミン→ノルアドレナリン→アドレナリンの経路によることが仮定された(第1図)。後年のアイソトープによる研究2)3)はこの生合成経路の存在を確証した。一方,フェニールアラニンからノルアドレナリン,アドレナリンへの生合成に関与するほとんどの酵素が発見された。
フェニールアラニン→チロシンの反応は肝臓に存在するフェニールアラニン水酸化酵素によつて行なわれ,dihydrobiopterinを補酵素とし,このプテリジンを活性あるtetrahydropteridineへ還元するのにさらに1つのプテリジン還元酵素とNAD-PHを必要とする4)。ドーパーよりドーパミンの生成はドーパー脱炭酸酵素により行なわれ,ピリドキサル燐酸が補酵素である。1961年,ドーパミンよりノルアドレナリンを生成するドーパミン-β-水酸化酵素が発見された5)。この酵素はアスコルビン酸を補酵素として要求する。
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