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特集 第6回神経化学懇話会
シンポジウムIII/脳の脂質
脳の脂質の研究
Studies on Lipids in Brain
安田 守雄
1
Morio Yasuda
1
1北海道大学医学部生化学教室
1Dept. of Biochemistry. Hokkaido Univ. School of Medicine
pp.529-533
発行日 1964年7月25日
Published Date 1964/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904106
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脳と神経組織は他の組織にくらべて脂質含有量が圧倒的に高い。すなわち脳の固形物の65%は脂質で,蛋白質は3.5%を占めるにすぎない。脂肪組織はもつとも多いが,脳はこれにつぐものであり,しかも脂肪組織の脂質はほとんど全部中性脂肪で,他の脂質としてコレステロールおよびリン脂質がきわめて少量含まれているのみであるが,脳神経組織の脂質は,ほとんど全部がコレステロールおよび複合脂質で,成人の脳神経では中性脂肪は微量存在するに過ぎない。
ヒトの脳は体重の約2%,脊髄と神経は0.4%で,併せて体重の2.4%を占めている。体重68kgのヒトの脳神経の重量1)はつぎのようである。
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