Japanese
English
原著
心筋の脂質代謝に関する研究
Experimental Study of Lipid Metabolism in Heart Muscle.
五島 雄一郎
1
,
長谷川 恒雄
1
,
滝塚 久志
1
,
神田 昭典
1
,
片山 哲二
1
,
吉田 恵治
1
,
森 皎裕
1
,
永野 志朗
1
,
中村 治雄
1
,
堀 貞昭
1
,
加藤 正弘
1
Yuichiro Goto
1
1慶応大学医学部内科
1Dept. of Internal Medicine, School of Medicine, Keio University.
pp.511-515
発行日 1964年7月15日
Published Date 1964/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201341
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I.緒言
心筋の活動は,究極的には収縮性蛋白の活動に要約できるとしても,それに要するエネルギーは当然糖質,アミノ酸,脂肪に依存している。殊に1930年以来主としてCruickshank1)2),Stadie3)4)の成績により心筋で脂質利用が起ることが推定され,1947年Bing5)らが冠静脈カテーテル法を実施し,心筋の総酸素摂取率の凡そ67%は脂酸の燃焼によつて占められていることが認められ,心筋における脂質の利用は確定的となり,尚かつ非常に重要な問題となつて来ている。
先に筆者6)は,第25回日本循環器学会総会シンポジウムにおいて,犬を用いた実験により心筋で利用される脂質として,コレステロールや燐脂質ではなく遊離脂酸が重要であり,しかも総脂酸分画上オレイン酸の摂取率の比較的高いことを報告した。
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