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特集 第5回神経化学懇話会
一般演題
17.Homocarnosine(γAminohutyryl-L-Histidine)に関する研究(第1報)
Research on Homocarnosine (γ-Aminobutyryl-L-Histidine)
森 昭胤
1,3
,
杉生 了亮
1
,
増川 禎彦
1
,
三宅 新太郎
1
,
高坂 睦年
2
Akitane Mori
1,3
,
Mutsutoshi Kosaka
2
1岡山大学医学部脳神経外科
2岡山大学医学部精神神経科
3大阪大学医学部陣内外科
1Dept. of Neurosurgery, Okayama Univ. School of Medicine
2Dept. of Neuropsychiatry, Okayama Univ. School of Medicine
pp.896-899
発行日 1963年8月25日
Published Date 1963/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904083
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Homocarnosine(γ-aminobutyryl-L-histidine)は1960年NIHのPisamら1)により牛脳中に発見されたdipeptideであり,牛脳組織中には0.5〜1mg/100gというかなりな量が存在する。その化学構造は第1図に示すごとく,γ-aminobutyricacid(GABA)とL-histidineを含んでいる。
我々は本物質の生理作用を検討した結果,本物質が痙攣抑制的に作用することを見出すとともにその作用機序に関して若干の考察を行なつた。これらの研究は実験動物としては主としてep-マウスを使用して行なつたものであるが,homocarnosineのep-マウス痙攣発作抑制作用について述べる以前に,これに関係する若干の我々の研究成績に簡単にふれたい。1)ep-マウスの痙攣発作は他の系のマウスとporabiosis形成を行なうと消失する:ep-マウスを他の正常な系のマウスとparabiosis形成術を行ない血液乃至は体液の交流を行なわせると,ep-マウス特有の痙攣発作が消失するり2)3)。これは,ep-マウスに欠損或いは欠乏している何らかのfactorが正常マウスから流入することにより,ep-マウスの痙攣発作が阻止されるようになることを示すものである。
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