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特集 第5回神経化学懇話会
シンポジウム・1
内因性精神病と精神薄弱の代謝異常
4.精神分裂病患者の尿中アミンと精神薄弱患者の尿中アミノ酸
Amines and amino acids in the urine of Psychotic Patients
武貞 昌志
1
,
金沢 彰
1
,
柿本 泰男
1
,
中嶋 照夫
1
,
佐野 勇
1
Masashi Takesada
1
1大阪大学医学部精神神経科学教室
1Dept, of Neuropsychiatry, Faculty of Medicine, Univ. of Osaka
pp.710-714
発行日 1963年8月25日
Published Date 1963/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904051
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遺伝性代謝異常疾患の中には精神薄弱を主症状とするものが多数見出され,精神疾患の生化学的研究方法に好適な材料を提供し,また一方では脳の機能を生化学的に理解する有力な一手段となつてきた1)2)。現在これら代謝異常疾患における酵素の異常,および代謝異常が精神症状を起すメカニズムに関する研究が進むとともに,一方ではさらに新たな疾患の発見を期待しての系統的な生化学的検査が活発に行われている。わが国のこの領域での研究はまだ緒についたばかりであり,人類学的に異なる種族ではまた異なつた疾患が存在することも認められているから,我が国においてもこの方面の研究がさらに広範に行なわれることが必要と考えられる。
その手はじめとしてわれわれは昨年夏以来約150例の精神薄弱患者の尿中アミノ酸をしらべてきた。各個の症例についてまだ詳細な研究は行なつていないが,これまでに得られた結果の概略を報告する。
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