Japanese
English
一般演題
4 カテコールアミンと脳の糖質代謝
Effect of 3,4-Dihydroxy-L-phenylalnine on the Concentration of Carbohydrates in the Brain
柿本 泰男
1
,
中嶋 照夫
1
,
武貞 昌志
1
,
佐野 勇
1
Yasuo Kakimoto
1
,
Teruo Nakajima
1
,
Masashi Takesada
1
,
Isamu Sano
1
1大阪大学医学部精神神経科
1Department of Neuropsychiatry Osaka Univ. Medical School
pp.579-584
発行日 1964年7月25日
Published Date 1964/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904116
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カテコールアミンが脳の生理機能に関連を有する物質であることは従来の実験成績からしてほぼ確実であるが,それではカテコールアミンが脳のどのような物質に働いて脳の働きに影響を与えるかということについては殆んど判つていない。これらの物質は最近neurotransmitterに擬せられてきたが,この考えを裏付ける実験的証拠は甚だ乏しい。たとえこの仮定が正しいとしても,どのようなメカニズムでカテコールアミンがpostsynaptic membraneの興奮をひきおこすかを説明することは出来ない。いずれにしてもある物質が脳で作用を発揮するとき,そこには多くの生化学的変化が介在していることは確かであり,カテコールアミンも脳の種々の代謝を変化させることによつてその作用を発揮すると考えても不合理ではない。
一方ホルモンの作用機序については最近多くの知見の集積をみ,種々のホルモンの作用はその臓器の糖質代謝に対する作用でもつて説明されるようになつた。アドレナリンの肝臓や心臓に対する作用も糖代謝系の変化を介するものとして説明されている。
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