Japanese
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特集 第4回神経化学懇話会
脳の機能と代謝
切片および生体内における脳リン脂質代謝の研究
Studies on the Metabolism of Brain Phospholipids in vitro and in vivo
林 浩平
1
,
狩野 忠雄
1
,
清水 正二郎
1
,
甲斐 睦興
1
,
山添 三郎
1
Kohei Hayashi
1
,
Tadao Kano
1
,
Mutsuoki Kai
1
,
Shojiro Shimizu
1
,
Saburo Yamazoe
1
1群馬大学医学部生化学教室
1Dept. of Biochemistry, Gunma Univ. School of Medicine
pp.684-695
発行日 1962年9月25日
Published Date 1962/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904005
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生体内の脳リン脂質代謝にっいてはDawson1)およびAnsellら2)の実験がみられるに過ぎないが,切片,ホモジェネイトまたはミトコンドリアについてのin vitroの実験はDawson3),Hokin4-7),McMurray8)らによつて詳細に行われている。これらの結果現在では脳リン脂質代謝の特徴としてphosphatidjc acidおよびinositideへの32P組入れが多く,かつspecific radioactivityも非常に高いことが指摘され,特にphosphatidicacidはHokinの業績によつてイオン輸送のcarrierとして注目されるようになつた。
しかしこれらの実験はいずれもDawson3)によつて始められたアルカリ水解物のペーパークロマトグラフィー,またはMarinettiら9)10)による硅酸をぬつた濾紙によるクロマトグラフフィーによつて個々のリン脂質のの定量を行つている。著者ら11)の検討によればこれら2種類のペーパークロマトゲラフィーによる実験結果は一致しないだけでなく夫々欠点をもち,特に硅酸炉紙ペーパークロマトグラフィーだけで個々のリン脂質を分離定量することは殆んど不可能であると思われる。
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