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特集 第4回神経化学懇話会
神経化学の技術と方法
組織化学的方法の特徴と限界
Characteristics and the Limitation of Histochemistry
石井 毅
1
Takeshi Ishii
1
1都立松沢病院
1The Matsuzawa Mental Hospital
pp.627-630
発行日 1962年9月25日
Published Date 1962/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903995
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組織化学的方法には,主として酵素の分布を問題とする酵素学的組織化学と,組織学または組織病理学を基盤とし組織構造の化学的同定を目的とする分野に大別できるであろう。私のこれから述べるのは後者の分野についてである。組織病理学では従来ほとんどの場合フォルマリン,アルコール等に固定された組織を用いるのが特徴である。また,顕微鏡下に見えるようにするため種々の染色を行うが,この染色は組織構造の形態を明らかにするのが主眼であつて,その化学的性質に注意を払うことは稀である。すなわち,組織病理学は本質的には形態学の域を脱しきれない。しかし,その形態の変化の化学的側面を追求しなければ病的過程の本質を知ることは困難である。静的組織化学はこのような要求に応じて発展してきた分野である。静的組織化学の知識は,個々の組織病理学的所見と直接の関連をもつ知識である点大きな特徴をもつているが,反面そのために方法的に様々の困難に遭遇するのである。
以下具体例を2つあげて御批判を仰ぎたい。
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