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特集 第4回神経化学懇話会
脳の特異物質
Reserpine投与後の血中Serotonin量の増加とJB 516前処置のこれに及ぼす影響
Increase of Serotonin in the Blood Plasm Due to Reserpine, and its Modification by the Premedication with JR 516
板東 丈夫
1
,
下 康郎
1
,
長谷川 紅子
1
,
松尾 知枝
1
,
川口 雅子
1
Takeo Bando
1
,
Yasuo Shimo
1
,
Koko Hasegawa
1
,
Chie Matsuo
1
,
Masako Kawaguchi
1
1順天堂大学薬理学教室
1Dept. of Pharmacology, Juntendo Medical College
pp.518-520
発行日 1962年9月25日
Published Date 1962/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903978
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前回の懇話会において,演者等はReserpine投与家兎のV. jugularis血中にに5HTの増加を認め,その際消化管・脾に至る動静脈を結紮してあることから,この5HTを脳5HTに由来するものと考えた1)。ところが脳5HTについては血液脳関門が考えられるのでこの点を吟味する必要が生じた。そこで今回は5HTを大量に保有し且つReserpine投与後5HTの減少を来す臓器である腸管に就いて脳の場合と略同様の実験を行い且つJB 516前投与の両者の場合における影響を検討し,併せて5HTにおける血液脳関門の存否について考察を行つた。
体重2.5kg内外の家兎をPentobarbital麻酔後背位に固定して開腹し.V. portaeを採血に便利なように周囲組織から分離しておき,採血は随時注射針を直接血管内に刺入して行つた。Reserpineは5mg/kgをV. femoralisに注射し,注射前と注射後の一定時期即ち5分乃至10分毎に採血を行い,前回と同様の処理をした後rat-uterusにより5HTの定量を行つた。家兎は反復する採血のために多くは採血開始後1時間前後で死亡するので特に長時間の経過を知るためにReserpine投与後一定の時間を経過した後に採血を開始した場合もある。
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